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大坪 章; 羽賀 一男
PNC TN9410 91-205, 55 Pages, 1991/05
フロンティア研究の一環として検討を実施している可搬型炉は地球上の避地,月面上或いは深海底への設置が想定されており,従ってその運転には無線通信が必要となる。本報告書では,月面上及び深海底に設置された炉の無線運転方法について,現状技術に基づいて予備検討を行った。月面上の炉の無線運転システムについては,現在の宇宙通信システムの延長線上にあると考えられ,技術的には特に大きな課題はないと予想される。深海底の炉の無線運転システムについては,海中音響通信の分野にまだ少し課題が残っているが,技術的には解決出来ると予想される。しかし,月面上の炉については,電波の月面との往復に3秒程度かかり,又深海底の炉についても音波の海上よりの到達に深さ6,500mの場合4秒程度必要となるため,いずれの場合も炉の緊急制御を無線で行う事は不可能である。従って緊急の炉の制御は炉自身の制御システムで行う必要がある。